出来の悪いやつほど可愛い

私が好きな車はクライスラーのPTクルーザーです。昔の車のデザインをモチーフにした、長いボンネットとサイドに張り出したフェンダー、全体的にボテっとした丸みを帯びたスタイリングは、レトロさの中に新しさも感じる愛くるしいデザインの車です。
ジャンルでいうと、ステーションワゴンになるのですが見かけによらず大容量の荷物が積めたり、居住性が重視されていたりと、さすが車で旅をするのが多いお国柄だけに非常に使い勝手が考えられていて、デザインだけの車ではないのは素晴らしいところです。ただ、やはりアメ車と言える部分もあって、どことなくチープな感じがすること。
運転席まわりがプラスチック感丸出しなのもあるし、密閉性が良くないのか頻繁にエアコンを切り替えないとすぐにガラスが曇ってきたり。さらにエンジンもアメ車のイメージともいえる大排気量ではなくて、2000ccの小排気量のエンジンが搭載されていました。とはいっても決してエコというわけではなくて燃費もリッター8キロぐらいだし、パワーも非力で登り坂ではアクセルベタ踏み状態。
さすがに非力さに不満が多かったせいか、後期モデルから少し排気量が上がりましたが、それでもまだまだって感じでしたが。あと電気系統も弱くて、パワーウインドウや電動サイドミラーが動かなくなったりと5年を経過したあたりから色々と世話の焼ける部分が出てきます。しかしながらこんなところが「アメ車らしさ」であって、「出来の悪いやつほど可愛い」ともいえる愛着が湧いてくる不思議な車です。
残念ながらすでに生産終了しているので、中古でしか買えませんが、値段もかなり安く売られているので、初めてアメ車にチャレンジしてみたい方には入門車としてお勧めしたい一台です。