格安SIMの利用方法

格安SIMでは、MVNOと契約したことで貸与されたSIMカードを使用します。その借り受けたSIMカードを、スマートフォンやタブレット型端末などに挿し込んで利用するわけですが、その端末は自分で用意する必要があります。インターネットショップでは、多くのSIMフリー端末が、新品・中古品共に多く販売されていますから、それらを購入しても良いですし、もし、以前使用していた携帯電話会社のスマートフォン等の端末を持っているのであれば、それを使用しても構いません(もちろん、現在は利用してない端末でなければなりません)。
端末の準備ができたら、MVNOへ格安SIMの申込みを行います。SIMカードはMVNOで購入することもできますし、インターネットショップ・家電量販店でも購入することができます。しかし、NTTドコモ・au・ソフトバンクモバイル・・・等の携帯電話会社の各ショップではSIMカードは購入することができませんので注意してください。
申込みが完了すると、SIMカードが送られてきますので、それを用意した端末へ挿し込みます。この時、端末の種類ごとにSIMカードを挿し込む場所が違っていますから、SIMカードを挿入する前に、必ず場所を確認してください。また、どのように挿入したら良いのかがわからない方は、無理をせず、取扱説明書で確認するのが無難です。強引にSIMカードを挿し込み、壊してしまったら大変ですからね。
そして、端末を操作して設定を行います。SIMカードを差し込んだだけではその端末を利用できるわけではありません。その設定の仕方は、契約したMVNOの公式サイトなどに掲載されているはずなので、そちらを参考にすると良いと思いますが、一体何の設定を行うのかというと、アクセスポイントの設定ですね。それを手動で行います。例えば、Android4.0以降のモデルの場合、設定→その他の設定→モバイルネットワーク→APN→メニューキー→「新しいAPN」・・・で、アクセスポイントの設定完了となります。MVNOからSIMカードが送られたきた際、SIMカードそのものと、そのSIMカードの端末設定に関する情報も送られてきます。APN・ユーザー名・パスワード・認証タイプ・PDP Type・・・等ですね(使用する端末によっては、各メニュー・各項目の名称は異なりますが)。
ただし、格安SIMは確かにお得ではあるものの、利用する際に注意しなければならないことがあります。それは、毎月の利用額が格安である分、様々な制限もかかってくる・・・という点です。先程、移動体回線網を保有していないからこそ、その整備などに関わるコストがかからない分、毎月の利用料が安いのだ・・・と触れましたが、しかし、格安の理由は、コストがかからないだけではないんですね。他にも、様々な制限を設けることで、毎月の利用料金を抑えることが実現しているのです。
例えば、通話ができない・通信量に制限がある・・・などが挙げられます。
通話ができないというのは、これはもう仕方のないことなのですが、MVNOのサービスを利用するということはそういうこと・・・と割り切るしかありません。MVNOが貸与しているSIMカードは、ほとんどがデータ通信専用のSIMカードとなっているんですね。もちろん、全て・・・と言い切ることはできないかもしれませんが、それでも一般的な格安SIMでは、電話番号での通話はサポートされていません。そのため、スマートフォンを手に入れたとしても、それがMVNOの格安SIMなのであれば、大抵のものが通話機能を活用することはできず、ウェブサイトの閲覧・メールの送受信などのデータ通信専用として利用することになります。ただしLINE・カカオトークなどのデータ通信を用いた通話アプリや、050plus・Fusion IP-Phone・・・などのIP通話サービスは利用することができますから、仕事でも使用するわけではないのであれば、それほど困ることはないかと思います。特に、IP電話サービスを利用する場合、専用の電話番号を取得することができるので、固定電話・携帯電話・PHSへの発着信ができるようになります。
通信量に制限があるというのは、移動体回線網を保有している携帯電話会社とのデータ通信契約は、一般的に、1ヶ月3GB~7GBの通信量までは高速データ通信が可能となっています。そして、それ以上の通信量になると、月末まで通信速度制限がかかる・・・という風になっているんですね(もちろん、携帯電話会社によって違います)。しかしMVNOとの契約だと、高速データ通信が可能な通信量は500MB~1GBと非常に少なくなるのです。そのため、高速データ通信でなければ快適に利用することができない動画の視聴や、アプリ等の大量ダウンロードは、格安SIMでは向いていません。そもそも、高速データ通信を使うことが多い方、通信量が多い方は、MVNOの活用は向いていません。ただし、エリアが狭いわけではありませんので、その点は安心してください。
他にも、キャリアメールなどの各携帯電話会社のサービスを利用することができなかったり、携帯電話会社との契約でなら当たり前のようにあった割引制度もありませんし、MVNOによっては、SNSを利用する場合はオプションに加入しなければならないところもあります。格安SIMは、毎月の利用料金を抑えることができたり、それでいて好きな機種を利用することができたり、解約手数料などの縛りもない・・・などのメリットも多く存在していますが、デメリットも十分に考慮し、価格だけに目を向けて決めないようにしてください。