事故や事件のあった不動産は価値が下がる傾向にあるのか?
不動産を所有していて、事故や事件が起きてしまった場合、その後不動産を売却するときに価値が下がってしまうのではないかと心配される方も多いかもしれません。
もし事故物件であることを隠せば、価値が下がらずに売却できるのではないかと考えるかもしれません。
この記事では、事故や事件のあった不動産が価値を下げるのか、また買い手に対して事故や事件を告知する必要があるのかについて詳しく解説します。
事故や事件のあった不動産は心理的瑕疵とされる
事故や事件があった不動産の価値は、想像される通り下がる傾向にあります。
このような事故物件には「心理的瑕疵」という要素が存在します。
心理的瑕疵は、物理的瑕疵と心理的瑕疵の2つに分けられます。
物理的瑕疵は、不動産の設備や建物に物理的な欠陥があることを指し、心理的瑕疵は不動産そのものには欠陥はないものの、買い手に心理的な抵抗を与えることを意味します。
事故物件は、買い手が気持ちよく住める家ではないという点から、心理的瑕疵があるとされています。
ただし、心理的瑕疵の具体的な基準は人によって異なるため、明確な基準は存在しません。
事故や事件のあった不動産は一般に価値が下がる
しかし、事故や事件のあった不動産は、心理的瑕疵によって価値が下がることが一般的です。
事故物件の場合、その市場価格は通常の不動産に比べて2〜3割程度下がる傾向があり、最大で5割程度下がることもあります。
不動産価格は需要と供給のバランスによって決まりますが、事故物件の場合、その物件に興味を持つ人が少なくなるため需要が低下し、売却価格を下げなければ売却することが難しくなってしまいます。
参考ページ:名古屋市で事故や事件の不動産の価値は下がる?告知は必要?
心理的な抵抗を与える事故や事件の告知は必要
したがって、事故や事件があった不動産を売却する際は、買い手に対して事故や事件の告知が必要です。
買い手は不動産を購入する前に必要な情報を知っておく必要がありますし、隠してしまえば後々トラブルになる可能性も高まります。
したがって、告知義務を果たし、誠実に買い手に必要な情報を提供することが重要です。
また、告知をしなかった場合、買い手は後から隠蔽された事実を知り、不動産の価値が下がったとして訴訟を起こす可能性もあります。
以上のことから、事故や事件のあった不動産は一般的に価値が下がります。
心理的瑕疵があるとされる事故物件は市場価格が低下し、売却する際は買い手への告知が必要です。
告知義務を果たし、買い手に誠実に情報を提供することが重要です。
心理的瑕疵を有する不動産は価格が下がりやすい
ただし、公共交通機関へのアクセスが良い立地条件などがあれば、そうした物件は、状況によっては大幅な価格の値下がりがなくても売却できる場合があります。
また、心理的瑕疵の内容によっても価格に差が生じます。
例えば、物件内での死亡事故と敷地内での事故では、後者の方が心理的負担が低いと判断されます。
ただし、売却する際には、原則的には買い手に対して事故があったことを告知する義務があります。
この告知義務は、不動産会社を通して行われる売買にも適用されます。
つまり、買い手に直接事故の告知をしなくても良いのです。
そのため、もし事故物件を売却する場合には、不動産会社の担当者に事故があったことを正確に伝える必要があります。
この告知を怠ると、後に事故物件であることが判明した場合、契約不適合責任を問われる可能性があります。
そのため、売却する不動産に関係する事故や心理的瑕疵については、誠実に不動産会社に伝えることが重要です。
隠蔽することは適切ではないので、十分に注意しましょう。
売買契約においてトラブルを避けるためにも、正確な情報の提供は欠かせません。