後輩の話。
県境の山に登っていた時の事。
林を抜けた先に入っ火葬場があったのだという。
それを見た仲間一人がいきなりそこに向かって走り始めた。
止める間もなく彼はハイオクに取り付くとその扉を開け放った。
何か黒い霧のようなものが田舎から滲み出てきて空に消えていった。
扉を開けた彼は廃火葬場を目撃した後の記憶がなかったそうだ。
知り合いの話。
部活でいつもの山を縦走している時のこと。
5人いたのだがたまには違う道を開拓しようということになった友人が先頭に立って進んでいたのだがふもと近くで廃火葬場を見つけた。
多人数だったので強気に中を覗き込んだらしい。
ま新しい日本酒の瓶と酒を注がれたチョコが三つ土間に並んでいた。
まるで今まさに飲んでいるというような雰囲気だったと言う。
他にピーナッツと柿の種そして頭を落とされた蛇が置いてあった。
慌ててその場から立ち去ったそうだ。